三井住友信託銀行 梅田支店・阪急梅田支店(大阪府大阪市北区角田町8番47号(阪急グランドビル2階、阪急百貨店東隣)にて当財団のパネル展を開催しています。
当企画は三井住友信託銀行様が、銀行の通路に展示をして、来られたお客様の目を楽しませたり、社会活動を応援したりという目的で企画されています。今まで当財団をご存じなかった方に知ってもらういい機会をいただいて大変感謝しています。
期間は2016年11月14日~12月22日です。是非みにきてください!
okuyama hozen trust blog
5月29日(日)公益財団法人になってから2回目のトラスト地ツアーを開催しました。
場所は、石川県白山市の白山国立公園内にある白山トラスト地(2008年取得、22ha)です。
石川県の小松駅を出発し、白山国立公園入口を抜けるとほどなくして、白山トラスト地です。
トラスト地の北半分は、木が伐られず、ブナやミズナラなどの原生的な森が残っています。南半分は、元々、トチ、ブナが広がる森でしたが、人にとって利用価値の高いトチ等が伐られ、現在は元の森へと遷移中の森で、オニグルミがたくさん生えています。山の実りの凶作の時は、クマたちがオニグルミの実を必死で食べていたようです。
トラスト地の中では、クマハギ(クマがスギの形成層をかじり、樹皮をはいだ痕)やクマが実を食べるために枝を折った後の残るオニグルミの木などを観察しました。新緑の中に、希少植物である黄色い花のコケイランや、ピンクの花がきれいなタニウツギなどがみられ、参加者の目を楽しませてくれました。
昼食後は、日本でも有数の原生的自然の残る場所である白山国立公園内の原生林を楽しんでいただこうと、釈迦新道登山口から森の中に入り散策しました。最初数十メートルのスギ林を抜けると、苔むした大きな岩があり、そこから先は山野草、中低木、高木と上から下まで、様々な高さの植物に覆われた天然の森が広がっていました。上の方には、ブナの巨木が群生しているところがあり、生命力にあふれた豊な森に、参加者のみなさんも大感激でした。
「大自然を身近に感じられ、豊かな気持ちになりました」「ブナ林の新緑がとても美しかった」などの感想をいただきました。
次回のトラスト地ツアーも計画中です。またホームページなどでお知らせしますので、是非ご参加ください!
11月1日、静岡県浜松市佐久間町にある財団所有のトラスト地でツアーを行いました。
このトラスト地がある、浜松市天竜流域は、人工林が75%という大人工林地帯です。その中でわずかに残っている広葉樹林帯を含め、294haを2006年に購入しました。今回のツアーでは、参加者の皆様に、この地で行われている大規模な自然林復元現場をご覧いただこうと企画しました。
当日は天候にも恵まれ、ハイキング日和となりました。浜松駅前からマイクロバスに乗り、一時間半ほどでトラスト地に到着です。参加者も様々で、兵庫や大阪、名古屋、一番遠い方は高知県からご参加くださった方がいらっしゃいました。
トラスト地に到着すると、佐久間森林組合の方々に大規模な間伐をしていただいている場所を見るため、山の中に入りました。半分ほど行ったところにとても明るく開かれた場所があり、8年ほど前に列状に間伐されたところでした。既に背の高い広葉樹も生えていて、自然林に戻っているのがよく分かります。
それ以外にもヒノキやケヤキの巨木を見て頂いたり2年前の群状間伐跡地、ボランティアの方々で間伐してくださっている地点など見て頂きました。今はまだ植生が戻ってきているとは言えませんが、また数年後には広葉樹が生えてきて、復元されているのだろうと想像すると楽しみです。
トラスト地は、開発から自然林を守るという目的で購入されているため、歩きやすい登山道があるわけではありません。道が悪いところもありましたが、参加者の皆さん全員が無事行程を終えることができました。
ツアーを終えて、「実際の保全活動の現場を見ることができて良かった」「トラスト地の広さに驚いた」「数年後にまたみにきたい」など様々なうれしい感想をいただきました。
富山県には、中新川郡上市町と魚津市島尻の二つの地域に近々当公益財団法人が所有することになるトラスト地があります。現在どのような状態なのか視察・調査に行きました。
(1)島尻トラスト地 2ha
4月29日、現地にくわしい富山市在住の方に、朝から案内をしていただきました。このトラスト地は、広葉樹の苗木畑にしようと購入したもので、10数カ所に点在しています。
散在するそれぞれのトラスト地の境界が分かり易いように、トラスト地の木にテープを括り付けてきました(下写真)。
(2)上市町のトラスト地 670ha
午後から、上市町のトラスト地に行きました。現地に詳しい滑川市在住87才の方に案内をしていただきました。
上市トラスト地は、人里から離れた「奥山」にあり、全670ha(1ha=100m×100m)もの広大な広さを持っています。
標高差は1061mもあります。(一番高いところの標高は、1420m白越岳)
めったに人が入らない場所です。
山頂には少し雪が残っており、絵のように美しい山々でした。
この辺りは、北アルプス北部の山塊の一部で、斜度が60°を超える斜面をもつ深い渓谷が複数刻まれています。
林道も途中で止まっており、これ以上奥へは入るのも難しい場所がたくさんあります。
翌30日には、山奥の視察・調査を実施するため、朝から林道伝いに歩いて入山しました。トラスト地の中は、ハンノキやヤシャブシ、イタドリ、ヤナギ類、シダ類などの始原性の植生が繁茂し、林道のそばには、トチノキの巨木が時折見られました。カモシカやウサギなどの動物たちのフンも少し見ました。
今回の調査で目撃した動物は、予想していたよりもはるかに少なかったです。大型哺乳類はカモシカ1頭のみで、あとは、カエル、ヘビ、トカゲが少しぐらいです。
クマの痕跡を楽しみにしていったのですが、意外なことに、丸1日歩いても、全く見られませんでした。上市トラスト地は、ナラ枯れが深刻で、ミズナラが大量に枯れていました。これでは、クマの食糧が心配です。
上市トラスト地は広大なので、もう少し林道から外れた場所の調査も必要であると思いました。
上市トラスト地は、生態系豊かな富山湾にそそぐ河川の水源となる場所です。この水は、多くの動植物の命を支えます。この水源地を守ることは、たくさんの生命を守ることに等しい。この場所をこれからも守っていきたいと思います。
先日、戸倉トラスト地にて大阪西ライオンズクラブの皆さんと皮むき間伐と植樹を行いました。参加者数は26名。子どもから大人まで幅広い世代の方々が来てくれました。朝7時半に大型バスで新大阪駅を発車し、10時に戸倉に到着。道中のバスの中ではライオンズクラブの皆さんが、クイズ等の楽しい企画をして下さりました。
現地に到着し、午前中は皮むき間伐です。二人一組になって、一本の木の皮むきです。体力のある方は2本、3本と皮むきしていきました。
上手くむけると、樹皮が一周分むけます(下の写真)。
樹皮をむいた後にでる白い樹肌は樹液に濡れており、ほんのり甘い味がします。クマは、この時期になるとスギの樹皮を剥き、この甘皮をなめます(これを、クマ剥ぎといいます)。
総勢26名で皮むきをした人工林は、2時間足らずで下のように変化しました。
皮むき前
このようにすることで、皮むきをしたスギは数年後に枯れ、葉を落とし、林床に日光が当たるようになります。
午後からは、植樹を行いました。樹種はトチノキで、ぜんぶで6本の苗木を、2012年の植樹地の下に植えました。
トチノ木植樹
ここは、先日まで2012年に皆伐したスギの太い丸太が山積みされて、地面を埋め尽くしていました(写真A)。
今ある植樹地の下にも新たに植樹ができるように、事前にスギの丸太を搬出して除去しました。
2015年5月21日:伐採した材を業者に頼んで、川の対岸の道まで林内作業車で引っぱりあげてもらい、軽トラックで運び出した。
植樹地の南面に新たな地面が現れました。
当日は、大阪西ライオンズクラブの皆さん総出で細かな枝等を片づけるのを手伝って頂いたおかげで、ようやく新たな命を植える事が出来ました(写真B)。
戸倉トラスト地には、ブナ・ミズナラ林をはじめとする貴重な植生環境と、豊かな水資源があります。この場所は、地元の方にとっても、野生動物たちにとっても、行きとし生けるものすべてにとって大切な原点です。
スギ人工林から、広葉樹林へ。多くの動物が棲める豊かな自然環境に、実のなる広葉樹林は必要不可欠なのです。戸倉トラスト地には、約1割の面積が人工林は、これまで、様々な方々のご協力のおかげにより、少しづつですが、多様な植生環境が復元しつつあるのです。
2015年も春をむかえ、戸倉の植樹地に植えられた若い命にも春が来ました。今年の冬もたくさんの雪が積もり、若木たちにとってはさぞかし過酷な冬だったのだろうとます。
19日当日は、深い雪の姿はなかったものの、春の雪解けとともに無残な姿のパッチディフェンスが露わになっていました。パッチディフェンスの網や杭は、傾いているものや、なぎ倒されているものが多く見受けられ、網を支える鉄のポールは、地面に刺さっている根元からねじ曲がっておりました。雪の力というのはとてつもなく大きなものです。
作業は、雨が降る中行われました。この日の作業に来て下さったボランティアさんは5名で、本部からは2名が向かいました。雪解け直後という条件に加え、昨夜からの雨で地面が柔らかくなっており、さらに急斜面ですので足元が滑りやすく、作業は難航しました。
倒れた杭を起こして打ち直し、やぶれた網を縫い直して、杭の高さが低い場所には、鉄のポールを横に括り付けて高さを増して、倒れた若木には棒を立ててもう一度起こしてあげて、、、、というように状況に応じたくさんの仕事をしました。その甲斐あって、歪んでいたパッチディフェンスは見事に修理されました。
今回の活動を経て、自然の力の強さというものを身に染みるほど感じ、一度人工林になった場所を再び広葉樹林に戻すことの大変さをもっと多くの方に分かってほしい。そう思いました。
ボランティアの方々には、日曜日でしかも雨の中にも関わらず頑張っていただいたので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!(^_^)
昨年より、公益認定申請を行い、公益財団法人化へ向けて 作業を進めてまいりましたが、 平成27年2月27日、公益認定書が届き、公益法人になることが できました! わずかに残る奥山水源域の生物多様性に富んだ森を ナショナル・トラストにより守ろうと 平成18年にNPO法人奥山保全トラストを設立し、 進めてきた事業を、これからは公益財団法人奥山保全トラストが 引き継ぎます。 今年中にNPO法人奥山保全トラストから全てのトラスト地を 引き継ぐ予定です。 子や孫、これから生まれてくる子どもたちの将来のため、 全ての生きとし生けるもののため、 100年後も、1000年後も、生命の源である豊かな森を 日本に遺して行けるよう スタッフ一同、使命感をもって事業を進めてまいります。 今後とも奥山保全トラストをよろしくお願いいたします。